MGCシェリフズ・カスタム(その2)【第1号機】

HEROSUNG2005-11-24



MGCというメーカーは、今はもう なくなってしまいましたが、
かつては、日本のGUN具を造り育てた老舗メーカーでした。

黎明期から「モデルガンとは こういうもの!」という明確なポリシーをもって
多くのGUN具を製造販売してきた事は、我々ファンが一番良く知っている所です。

そのMGCの製品に、ピースメーカー(SAA)があるのは、これまでにも
ご紹介してきましたが、当初より シビリアン、フロンティア、キャバルリー、
バントラインスペシャル の4種類の銃身長のバリエーションを揃えて、
どの西部劇にも対応できるようしてくれていたのは、本当にうれしい事でした。
あの映画でジョン・ウェインが持っていたのは「シビリアン」とか、
シェーンのアラン・ラッドの(銃)は長かった(キャバルリー)とか、
名保安官ワイアット・アープは「バントラインSP]とか、
早撃ち(ファストドロゥ)やガンプレイ(スピン)には「シビリアン」とか、
楽しみ方はさまざまですが、それぞれのGUN具を持つたびに、十分な雰囲気を
感じる事ができました。
そんな中、NGCがプレゼントしてくれた(というか、用意してくれた)のが、
短銃身の「シェリフズ モデル」だったようです。

だったようです。と書くのは、実は、僕が、シェリフズのGUN具の存在を知った
のが、ずっと後になってからで、リニアタイムでは、知りえなかったからです。


MGCが「シェリフズ」を作っていたのを知ったのは、たしか、1977年頃の事
だったと思いますが、友人からもらった1枚のチラシ(というか、カタログの紙)
が きっかけでした。
茶色の縁取りに、MGC SHERIFF’S MODEL CUSTOM
と あとはMGCボンドショップの名前と電話番号だけしか書いてない1枚の紙で、
中央には、ロープ・板・手配書の上に置かれたシェリフズのモデルガンと、
雰囲気造りのバッジと飾り弾6発の写真だけ。
というシンプルな構成ながら、僕には、十分なメッセージが伝わりました。
「かっこ良いぃ〜〜〜〜〜〜!!」

それまで見ていた通常のカタログには載っていませんでしたので、それまで、
この「カスタム」の存在は、全く知りませんでした。
さっそく僕は、MGCボンドショップに行ってみましたが、もう何年も前に
受付も製造も終わっていたようで、ショーケースの中にも展示品すらありませんでした。

というわけで、友人Aの家に遊びに行き、おみやげ代わりとして MGCシェリフの
パンフレットを1枚もらったのが、僕の「 シェリフズ スペシャル 」 との最初の出会い
でしたが、その頃っていうのは、たしか、その前の年に 六研が プラ(黒)SAAを
発売して、僕も、シビリアンを1丁買ってボーダースピンやクイックドロゥの練習等
していたのですが、キャバルリーを入手する前にお店から姿が消え、がっかりして
いたところ、翌年あたりに、六研の替わりに 国際産業が ソックリの物を
発売しはじめていました。
僕は、さっそく キャバルリーを目黒の国際産業のお店で買い込んだのですが、
その仕上げの悪さに がっかりしたと同時に、その構造にビックリして、
あわてて数丁買い込み、自作カスタムにて「シェリフ」と「バントライン」を作りました。
何しろ、バレルは、鉄パイプをABSで包んだ「テンプラ」モデルで、
しかも ピン1本を ドライバーで こじって抜き出せば、スポッとバレルが外れてしまい、
インサートも たたけば抜けてしまう代物だったのですから。
バレルは、キャバルリーの エジェクター チューブ スクリュー 穴 の位置で
切断すると、ほぼ 3インチなので そこで切って 手削りで合わせて再接続し、
エジェクター チューブの接続部分だった出っ張りは、これまた手削りで
削り落と
して整形し、当時は プラリペア なんて物も 無かった時代でしたので、

そこだけ ガンブルー仕上げにして それで満足していました。

と まあ こんな風に シェリフズ好き のストーリーが広がっていくのですが、
僕が、MGCの(金属製)シェリフズに出会えたのは、それから年月がたって
からでした。

MGCのシェリフ については、20数年前にあのパンフレットを見て、その存在は知ってはいたものの、もちろん 既にその時は 売っていなく、
僕にとって、現物を見た事のない 幻の存在 で、長年あこがれていた存在でした。
では、その幻のGUN具 MGCシェリフズの詳細を さっそく見ていきましょう。

造り は、「ソゥド オフ」 って 感じ です。 スパッと切られた感じです。
MGCピースメーカーのバレルの刻印は、
「FRONTIER SIX SHOOTER Cal.44-40」がシビリアンとフロンティアに、
「SINGLE ACTION ARMY Cal.45 Colt」がキャバルリーに
「BUNTLINE SPECIAL Cal.45 Colt」がバントライン・スペシャルに、
それぞれ刻まれていましたが、
このシェリフズの場合
「SIX SHOOTER Cal.44-40」と なっていて、「 FRONTIER 」部分が切り取られて
無くなっていることと、その位置から、フォロンティア・モデルからの
改造と
思われます。また、フロントサイトは 51ネイビーのような ニップルタイプと
なっていて、当時のMGCカスタム部の仕事ぶりが想像されます。
フレームの刻印は、44-40 Long Colt で、馬付きですので、バッチリです。

MGCシェリフ は、GUN具 の歴史の中で、かなり貴重な存在だと 考えますので、
ずっと 飾っておけるよう、保存を頑張りたいと思います。

今回の自己評価額は、缶チューハイ270本分!って感じでしょう。






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